動物病院はなぜあんなに待たされる?病院の裏側のぞき見!

動物病院ってすごく待たされるイメージですよね。

受診するとなると、半日潰れることも珍しくありません。

なんで呼ばれないの?」「まだ?!!」と思いますよね。

スタッフはのんびりしているわけでも、仕事が出来ないわけでもないんです。

どうしてあんなに待たされるのか、病院のお仕事を紹介しながら解説します!

 

診察の流れ~裏側~

まずは動物病院へ行ったときに、受付をしてからお会計をして帰るまでの流れの裏側をみてみましょう。待たされている間、裏では何をしているのか、どうして待たされるのか説明していきます。

 

受付

診察してもらおう!」とわざわざ動物病院へ来たのに受付で誰も出てこない…。

どうなってるの?どうしたらいいの?」と戸惑ってしまう経験、ありますよね。

受付担当のスタッフがいない場合、動物看護師が受付もしています。

スタッフの数が少ないと、診療補助に入っていたり、電話対応、他の方の問診やお会計をしていて、すぐに受付対応が出来ない時があります。病院によっては、診察順を明確にするために来院したら飲食店のように名前を書いて待ってもらうところもあるようです。

診察券をいれるボックスが置いてあるところはよくありますね。

病院に来たのに誰も応対してくれなかったら不安になりますよね。

手が空いたらすぐにカルテを確認、問診させていただくので少しお待ちください。

 

診察・処置

長い時間待って、やっと順番が来たら診察室に呼ばれますよね。

診察は獣医師1人で行うこともありますが、保定(動物が動かないように抑えること)の必要があったり、検査や処置がある場合は、看護師の手が必要になります。

さらに小さい子、おとなしい子は1人でも保定できますが、大きい子や元気な子、猫は看護師2人での保定が必要なときもあります。

他にも処置の準備や検査などの外回りのこともしなければいけません。

スタッフの数が少ない病院だと、1人1人がたくさんのことをしなければいけないので、合間合間でお待たせする時間が出てきてしまいます。

保定や処置、検査などは、動物が興奮している状態だとうまくできないことがあります。

検査結果に影響したり、危険なこともあるので、診察室やスタッフに少し慣れて落ち着くまで待ってから行うこともあり、時間がかかってしまいます。

また、獣医師からの問診や説明などが丁寧であればあるほど時間が長くなるので、次に待っている人は待つ時間が長くなってしまいますよね。

必要最低限しかお話しない獣医師もいると思うので、どちらが自分に合っているのか選んで病院を決めてもいいかもしれないですね。

 

検査

診察室で取った検体(血液、耳垢、皮膚、尿など)を検査すると言われることもありますよね。

たいていの場合、院内検査であれば「結果が出たらお呼びします」といわれ、1度診察室から出され、再び待合室で待つことになると思います。

この待ち時間、結構長く感じますよね。

その間に他の人が診察室に呼ばれているのを見ると「いや、まだ終わってないのに?!そんなことしてるから余計に時間かかるんじゃないの?」と思いますよね。

でも安心してください。

機械が検査していたり、染色したりして標本を作っている待ち時間に次の方を診察しています。

血液検査はほとんどの検査を機械が行うので、機械の準備をしてスタートを押せば、あとは待つだけです。

レントゲン検査は、撮影してから少し待ってもらうこともありますが、その間はたいてい獣医師はレントゲンをじっくりみています。

そして症状にあった処置の準備をして、すぐに呼んでくれると思います。

耳垢や皮膚などの標本を作るときは、染色する必要があるので薬液や染色液を浸けて数分待つ工程を繰り返します。

少し時間はかかりますが、早ければ診察室でまだ獣医師と話している間に標本ができることもあります。

もちろん次の子のカルテや問診をみて、診察や処置に検査が終わるより時間がかかりそうだと判断すれば、次の方を呼ばずに検査が終わるのを待つこともあります。

検査が終わり、結果を確認できればすぐに処置の準備をし、再度お呼びしますのでしばらくお待ちくださいね。

 

調剤

診察、検査の結果次第で、おうちで薬を飲ませてもらう必要があることもあると思います。

動物用の調剤薬局はないので、動物病院で出されるお薬はすべて院内処方になります。

また動物薬剤師という職業もないので、動物看護師がお薬を作っています。(動物看護の学校では薬学の授業もあるので、安心してくださいね。)

薬は人間と同じものを使うことも多く、体重によって用量が変わってきます。

人間と同じぐらいの体重やもっと重い大きな子は、1錠そのまま使えたりするので早く準備できます。

問題は5kg以下の小さな子たちです。

チワワやヨークシャーテリアだと2kgぐらいの子もいます。先ほどお伝えしたように、体重ごとに用量が決まるので、小さいと1錠を割ったり、潰して粉にして分包する必要があります。

4分の1、8分の1に錠剤を分割したり、数錠の薬をすり鉢ですり潰し、濾して粉にしてそれを分けたりもします。

粉薬の分包は、高価な良い機械がある病院であれば全自動でやってくれるものもあるかと思いますが、動物看護師が目分量で1つ1つ分けるものや、全量を均等に平らにすると指定した個数に分けてくれるものなど、色々な機械があります。

全自動は早いと思いますが、後の2つは人の手作業が重要になるので慎重に行う必要があります。

このように薬1つ作るのにもそれなりの時間と労力がかかり、お待たせすることになってしまいます。

また、分包器は1つしかない病院がほとんどだと思うので、細かい大量の粉薬を作っていると、後の方の薬も分包できないので、どんどん待ってもらう人数が増えてしまいます。

動物看護師もできるだけ急いで、でも正確に作れるように頑張っているので、広い心で待ってもらえるととても助かります。

また、定期的に大量の薬を持って帰られている場合、症状や状態などに変わりがなければ、先にお電話をもらっていればあらかじめ用意しておくことができ、お待たせせずに済むかもしれません。

1度病院に確認してみてくださいね。

 

お会計

薬の準備ができたら、やっとお会計です。

ただ、お会計もカルテを見ながらパソコンに明細を入力し、保険に入られている場合は保険適用か確認をしたりする必要があります。

検査、処置の項目や薬の種類が多いと明細の入力やカルテとパソコン上の項目や金額が合っているかの確認に少し時間がかかることもあります。

(電子カルテならこういう手間はなくもっと早いと思います。)

お待たせばかりで申し訳ありませんが、お会計が終わればやっと帰れます!お薬の説明や次回来院の予定も忘れずに確認してくださいね。

 

動物看護師のお仕事

あれもこれも動物看護師の仕事?」「結局動物看護師って結局何をしているの?

そんな疑問に答えるべく、動物看護師の1日の仕事の流れをみてみましょう。

出勤してから帰るまでのお仕事を紹介します。

(小さい町の動物病院でのことで、病院の規模などにより変わってきますので、参考程度に読んでくださいね。)

 

診察前~朝~

  • 入院、ホテルの子のお世話
  • 洗濯物片付け
  • 物品補充
  • 在庫チェック、発注
  • 手術準備
  • 留守電、前日の体調不良の子への電話
  • 来院予定確認、カルテ整理
  • 掃除

朝は診察時間の30分前には出勤します。

入院やホテルの子が多い場合は、お散歩、片付けに時間がかかるのでもっと早く出勤することもあります。

1人がお散歩に行ってる間に残った人でお部屋の掃除、片付け、ご飯の準備などをし、同時進行で薬や針、シリンジなどの在庫チェックと注文が入っているフード類と合わせて発注、その日の手術の器具の準備などを行います。

前日診察に来ていて、様子が気にかかる子がいれば電話をしてその後の様子を確認したりもします。

また早めに来院する方もいるので、受付対応や問診も合わせて行い、診察時間に備えます。

 

診察時間内

  • 受付、問診
  • 診療補助
  • 保定
  • 検査
  • 調剤
  • 会計、説明
  • 掃除
  • 電話対応

診察が始まれば、診療補助や検査、調剤など来院数が多いと大忙しです。

受付、問診は重篤な状態の子を見落とさないためにも慎重に行う必要があります。

また問診であらかじめ、いつからどのような症状があるのか聞いておくことで、診察の参考になります。

保定では動物に負担をかけずに、獣医師が診察、処置しやすいように抑える必要があり、外回りにいる時は獣医師の次の行動を先読みして準備しておかなければいけません。

診察が終われば次の患者さんをすぐに呼びたいところですが、診察台の消毒や掃除が必要です。

緊張すると抜け毛が多くなる子が多いので、コロコロで毛を取らないと台も保定者も、時には獣医師も毛だらけです。

そこから塩素系漂白剤を水で薄めた消毒液で台は綺麗に拭き取ります。

床に爪や毛が落ちているときは、掃き掃除も急いで行います。

また、膿や肛門腺など匂いのきつい処置をしたあとは、換気扇を強にして回したり、濡れタオルで匂いを取ったりします。

そうしてやっと次の子を呼ぶことができます。

前の子が終わったのにすぐに呼ばれないのは、こういったことが中で大急ぎで行われているからです。

綺麗な診察室でお呼びしたいので、呼ばれるまで少しお待ちくださいね。

診療補助に入っていなければ、次の子のカルテを確認し、必要なものを準備しておいたり、薬の用意をしたり、検査が必要になれば機械の準備や保定の手伝い、標本作成などをします。

もちろん、電話対応やお会計もです。この時に薬の説明もするので、分からないことなどは聞いてくださいね。

 

診察時間の合間~お昼~

  • 掃除
  • 手術
  • 納品
  • 電話対応
  • お昼休憩
  • ホテルの子と遊ぶ、お散歩

午前の診察が終われば、お昼の間に手術をします。

人手がある場合、手術に入る人と掃除など他のことをする人に分かれます。

手術は内容により、かかる時間が違うので、午後の診察時間ぎりぎりまでかかりそうな長い手術の時は交代してお昼休憩に行ったりすることもあります。

わんちゃんはお散歩がてら歩いてくる子も多いので、動物病院の床は汚れがちです。

先に毛や砂やほこりを掃いて綺麗にしてから、消毒液を振って床全体を念入りにモップで拭きます。

ソファや椅子の上に座る子も多いのでそちらも忘れずに拭きます。

また怖くて椅子の下に隠れる子も意外と多いので、隙間や物の下も要チェックです。

掃除が終われば、診察で汚れたタオルなどを洗って、消毒し洗濯を回したりします。

業者やエリアにもよりますが、朝に発注した商品をお昼の間に持ってきてくれることが多いので、納品も行います。

新商品の案内や欠品の情報などもあるので、忘れず伝えられるようにメモします。

その間に電話があれば対応します。

緊急の場合は獣医師に確認し、受け入れ可能であればすぐに来院してもらい、診察することもあります。

すべてが終わり、手術の片付けまでできればやっとお昼休憩です。

お昼ごはんが終われば、ホテルの子がいれば出してあげて院内で遊んだりすることもあります。

ずっと犬舎の中では狭いしストレスが溜まるので、出したら暴れて部屋に戻せないような子でない限り、順番に出して遊んであげます。

一緒に遊ぶと病院やスタッフにも慣れてくれますしね。

また夕方のお散歩が必要な子は、暑い時間は避けて午後の診察前に行くこともあります。

 

診察後~夜~

  • 掃除
  • 入院、ホテルの子のお世話
  • 物品補充
  • 洗濯

午後の診察時も終わり、最後の患者さんを見送れば診察終了です。

お昼の時と同じように待合室は汚れやすいので、綺麗に丁寧に掃除をします。

入院、ホテルの子のごはんをあげたり、物品や薬の補充、洗濯を干したりして1日が終わりです。

病院によっては、1日の来院数の締め作業をすることもあります。

 

まとめ

動物病院がすごく長い時間待たされるのは事実ですが、スタッフが少なかったり、薬を作っていたり、次の患者さんが気持ち良く診察室を使えるように片付けているからなどの理由でした。

私も待たされるのはすごく嫌いですが、自分が調剤で苦労して時間がかかってしまうこともあったので、動物だけでなく小児の薬を待つときなども「頑張って分包してくれているんだろうな」と思い、待てるようになりました。

どうして呼ばれないの?!」「ずっと待ってるんだけど!」と思うのはもっともなのですが、裏でどんなことをしているのか知り、広い心で待ってもらえたらも思います。