動物看護師が直伝!愛犬が上手にお留守番できるようにするポイント

犬を飼っている人の中にはお仕事をしていたり、お家を空ける時間がある人もいると思います。

そんなときに愛犬が上手にお留守番をしてくれたらとても助かりますよね。

今回は犬を上手にお留守番させる方法について紹介していこうと思います。

寂しがって吠えてしまうといったことで頭を悩ませている飼い主さんはぜひ、参考にしてみてください。

 

犬はお留守番が苦手な生き物

犬を飼っているからといって四六時中一緒に行動できるわけではありませんよね。

しかし、犬はもともと群れを作って生活していた生き物なためひとりぼっちになるのが得意ではありません。

そんな犬が苦手なお留守番をさせることによってどのような影響があるのかについてまずは紹介していこうと思います。

 

長時間のお留守番はストレスや病気につながる

お留守番といっても長時間にわたってひとりにさせるのはストレスが溜まってしまったり、病気になってしまうリスクがあります。

お留守番をしていたときの寂しさやストレスは破壊などの問題行動として表れることがあります。

また、長時間ケージの中に入れておくことによって排泄ができない場合には膀胱炎などの病気につながることもあります。

膀胱炎になると血尿などをしたり、排尿の際に痛みを伴うといった症状が出ることがあります。すぐに動物病院での治療が必要です。

成犬の場合には10時間以上のお留守番は控えるようにしましょう。また、子犬の場合には排泄の回数も多いですし、食事もこまめに与える必要があるのでなるべくそばにいてあげるようにすることが大切です。

どうしてもお留守番してもらうときには4時間以内を目安に帰宅するようにしてあげてください。

 

子犬の頃に寂しい思いをさせない

子犬のお留守番は4時間以内とお話ししました。それ以上のお留守番をさせることで子犬の頃から寂しい思いをすることになり、分離不安症などの精神的な病気にかかってしまうこともあります。

分離不安症は飼い主さんから離れることに強い不安を感じ、激しく吠えたりすることのある精神的な病気です。

お家の中でも飼い主さんが見えなくなると吠えたり、どこに行くときにも飼い主さんの後ろをついて歩くようになります。

分離不安症を治すには時間と根気が必要になってきますし、犬自身も辛い思いをすることになりますので、一緒にいる時間をたくさん作ってあげるようにしてあげてください。

分離不安症の治療には専門家による治療が必要になってくることもありますので、なるべく寂しい思いや辛い経験をさせないようにして、自立させてあげることが重要です。

 

上手にお留守番ができるようにするポイント

犬はお留守番が苦手な生き物であることが理解していただけたかと思います。

しかし、お留守番が上手にできれば、お互いにストレスを感じることが少なくなります。

ここからは愛犬に上手にお留守番をしてもらうポイントについて解説します。

お留守番がなかなか上手にできないという犬の飼い主さんはぜひ、実践してみてくださいね。

 

おもちゃを与えておく

ひとりになる時間に少しでも寂しさを軽減するのにおもちゃを活用するのがおすすめです。

知育玩具や噛むことを楽しむおもちゃのように一人遊びに適したおもちゃを与えることによってひとりのお留守番中でも集中して遊んでくれます。

お留守番中におもちゃを与える際に注意したいことは、誤飲をしてしまいそうなおもちゃは与えないようにすることです。

おもちゃの部品が取れてしまいそうだったり、噛みちぎれてしまいそうなおもちゃは与えないようにしましょう。

また、お留守番中にガムなどのおやつを与える飼い主さんもいると思いますが、あまりおすすめはできません。

ガムは丸飲みすることによって喉に詰まらせてしまう危険性があるため、なるべく飼い主さんが見ていられるときに与えるようにしましょう。

 

音楽やテレビをつけておく

音楽やテレビをうるさくない程度につけておくのも寂しさの軽減につながります。

音楽といっても人間が聴くようなものを流すのではなく、普段の生活音を録音したものなどを流してあげると家族と一緒にいるように感じられて寂しさが紛れます。

テレビも人間の話し声が入っているものを流すようにするのがおすすめです。

音楽やテレビをつけておく際の注意点としては、音量は大きくしすぎないことや犬が驚いてしまうような音が含まれていない音楽やテレビを流すようにすることです。

 

ペットカメラを使用する

お留守番が上手にできるように色々な対策をしても飼い主さんとしては不安が残ると思います。

このような場合にはペットカメラを設置すると良いです。最近ではスマホから部屋の様子を確認できて、声をかけられたり、おやつをあげられる機能が搭載されているものも販売されています。

高齢犬の場合にはお留守番中に体調を崩してしまう可能性も高くなります。そんなときにペットカメラでいち早く異変に気づくことができればすぐに対応ができるようになります。

お留守番が心配という飼い主さんはぜひ、ペットカメラを活用してみてください。

 

出かけるときは速やかに家を出る

愛犬をお留守番させるときにかわいそうだからといってお出かけ前にたくさん撫でたり、甘えさせたりしている飼い主さんは意外と多いのではないでしょうか?

実はこのような行動はお留守番中の寂しさを大きくしてしまう可能性があるのでやめたほうが良いです。

出かけるときには「行ってくるね」や「お留守番よろしくね」くらいの声かけをして速やかに出かけるようにしましょう。

また、帰宅したときにお留守番してくれてありがとうという気持ちを伝えるようにすることで、お留守番への抵抗を少しでも和らげることができます。

 

お留守番の環境は整えておく

お留守番を少しでも快適に過ごしてもらうためには環境を整えておくことが非常に重要です。

室内の温度は適切に保たれているかを確認し、エアコンを使用して適切な温度に常に保たれるようにすることが重要です。

犬が過ごしやすいと感じる温度は20〜25度前後と言われていますので、適切な温度に保つよう心がけてください。

冬場などにはストーブなどを使用して防寒対策を行う飼い主さんもいるかと思いますが、人がいない状態でストーブを使用するのは安全面で不安が残りますので注意が必要です。

また、犬はお留守番でのほとんどの時間を寝て過ごしています。ケージの中に犬用のクッションやベットを入れておいてあげることで快適に過ごすことができるようになります。

その他にも水分補給が十分にできるように給水器のお水はしっかりと入れていってあげたり、室内の温度だけでなく湿度にも注意するようにしてあげてください。

 

長時間のお留守番はどうしたら良い?

犬のお留守番は成犬であれば10時間いないにとどめておくことが理想です。

しかし、さまざまな事情でより長い時間お留守番してもらわなくてはいけなくなってしまうことがあるかもしれませんよね。

そういったときにはどうしたら良いのかを事前に考えておく必要があります。長時間のお留守番の際に活用すべきものをいくつか紹介します。

 

ペットホテルに預ける

一つ目の手段としてはペットホテルに預けることです。ペットホテルは部屋に空きさえあれば2泊や3泊など預かってくれます。

また、他にも宿泊している犬がいるのでひとりぼっちという寂しさは多少軽減されるかもしれません。

しかし、いつもと違った環境で過ごさなくてはいけないことやケージの中に入れられている時間が長いことからストレスを感じてしまう犬もいます。

少しでもケージの中での生活がストレスにならないように、普段からケージに慣れさせておくと良いです。

ペットホテルを利用するにはワクチンの接種が終わっていることやノミやマダニの予防をしている必要があることがほとんどです。

ペットホテルによっては24時間従業員がいるホテルもありますし、動物病院と併設しているホテルもあります。

病気が心配な犬の場合にはすぐに対応ができるような動物病院などに併設されたペットホテルを選ぶようにするのがおすすめです。

また、ペットホテルを選ぶ際にはホテルの従業員の対応やペットホテルが常に清潔に保たれているのかなどを確認しておくと良いです。

預ける際にはドッグフードを持参したり、お気に入りのおもちゃを持っていってあげると安心できます。

また、お散歩をしてくれるペットホテルもありますのでリードや首輪なども準備しておくと良いです.

 

ペットシッターに依頼する

ペットシッターに預けるのも一つの方法です。

ペットシッターは自宅に訪問して犬のお世話や掃除、お散歩など細かなことまで依頼することのできるサービスです。

犬はいつもと同じ環境で過ごすことができるので、環境の変化に敏感な犬の場合にはペットホテルよりもペットシッターのほうが向いているかもしれません。

ただし、ペットシッターは限られた時間の中で依頼された内容をこなしていくので、ペットホテルのように誰かがずっと見ていてくれるというわけではありません。

また、飼い主さんが不在の間に自宅に訪問するので防犯上の問題などが課題点としてあげられています。

事前の打ち合わせで本当に信頼できるペットシッターを見極める必要があります。

信頼できるペットシッターを見極めるためには、動物取扱管理者などの資格をしっかりと持っており身元確認がしっかりとできる人を選ぶようにします。

また、料金が明確であるかも信頼できるペットシッターを選ぶ上で重要なポイントです。

その他にも飼い主さんの要望などを親身になって聞いてくれているかなども判断基準になります。

一度信頼できるペットシッターを見つけることができれば、2回目以降も同じ人に依頼すれば安心ですよね。

また、飼い主さんとの相性は良くても犬との相性が良くない場合もあります。

犬との相性が良くないと大きなストレスを与えることになってしまうので事前の打ち合わせで相性を見てあげるようにしてください。

万が一相性が良くない場合には他のペットシッターを探さなくてはいけなくなってしまうので、早めにペットシッターは探しておくようにしましょう。

 

子犬の場合には犬の幼稚園

最近では子犬の社会化やしつけのために犬の幼稚園に通わせている飼い主さんも多くなってきました。

犬の幼稚園なら送迎なども行ってくれることがあるのでお仕事をしている飼い主さんでも比較的預けやすいです。

また、他にもたくさんの同じ世代の犬が通園しているので寂しさを感じることなく通園することができます。

犬の幼稚園では通園時の様子を連絡帳などに記載して伝えてくれたり、従業員さんから直接教えてもらうこともできますので安心できますよね。

犬の幼稚園のデメリットとしては朝から夕方までしっかり預けるとなるとかなり高額になってしまうことです。

費用に余裕がある場合には子犬期に必要な社会化がしっかりとできますし、しつけなどもプロが行ってくれるのでおすすめです。

子犬期にきちんと社会化やしつけが行われていれば、他の犬とのトラブルも少なくなりますし、問題行動なども少なく済むでしょう。

 

親戚などに預ける

長時間のお留守番をしなくてはいけなくなってしまったときに最もおすすめな方法は親戚や犬を飼っている友人に預けることです。

普段から親戚や友人には犬と一緒に遊んでもらっているという人が多いと思います。普段から会ったことがある人であれば犬も安心して過ごしやすくなります。

また、何かあったときにもすぐに連絡が取れますし、代わりに病院に連れていったりしてくれるかもしれません。

ペットホテルやペットシッターは便利ではありますが、犬からすれば知らない環境で過ごさなくてはいけなかったり、知らない人にお世話をされなくてはいけなかったりと不安がいっぱいなのです。

もし、親戚や友人に犬を紹介したことがないという飼い主さんは、いざというときに備えて一度会わせておくと良いです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は愛犬が上手にお留守番ができるようになるポイントや長時間のお留守番の際にはどのような対応をすべきなのかについて紹介しました。

犬はもともと一人が得意ではありませんので、なるべく長時間のお留守番はさせないようにすることが重要です。

しかし、どうしても外せない用事などができてしまったときには愛犬にストレスのかからない方法でお留守番をさせてあげるようにしてください。

 

りっちゃん

■保有資格

愛犬飼育スペシャリスト

■経歴

元動物看護師

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