動物看護師監修!愛犬との正しいお散歩の仕方

犬を飼っている人は毎日のお散歩が習慣になっていると思います。

しかし、正しいお散歩ができている飼い主さんは意外と少ないかもしれません。

今回は愛犬の健康を維持する上でも重要なお散歩の正しい仕方について紹介します。

今までのお散歩の仕方が本当に愛犬のためになっているのかを再確認してみてくださいね。

 

愛犬が喜ぶ正しいお散歩の仕方

犬はお散歩をすることが大好きです。

しかし、間違ったお散歩の仕方をすることで体に負担がかかってしまったり、怪我や事故につながってしまうこともあります。

せっかくの楽しいお散歩の時間を充実させるためにも正しいお散歩の仕方を理解するようにしましょう。

 

愛犬に合った運動量を知る

愛犬が喜ぶお散歩をするためにはどのくらいの運動量が必要なのかを知る必要があります。

犬の運動量は体の大きさや年齢などで異なってきますがおおよその目安は下記の通りです。

  • 小型犬:1日1〜2回30分程度
  • 中型犬:1日2回45分程度
  • 大型犬:1日2回1時間程度

体が大きくなればなるほど1日に必要とする運動量は多くなります。

大型犬の場合にはドッグランなどで自由に走れる時間を確保してあげるなどの工夫をしてあげると1日の運動量を満たすことができます。

また、運動量は個体によって異なってくるので必ずしも、上記の時間お散歩をしなくてはいけないと言うわけではありません。

愛犬に合った運動量を探してあげることが大切です。

 

お散歩の時間帯には注意が必要

愛犬が喜ぶお散歩をするにはお散歩をする時間帯にも注意することが大切です。

夏場であれば、早朝や夕方の涼しい時間帯にお散歩をするようにしましょう。

日中は強い日差しによって皮膚が炎症を起こすことがあります。

日差しが強い中、外に出る場合には紫外線をカットしてくれるような洋服を着せたりキャリーバックに入れるなどして直射日光が当たらないように工夫してあげてください。

また、気温が高い中でのお散歩は熱中症を引き起こしかねません。

アスファルトは想像以上に暑くなりますので、肉球の火傷にも注意が必要です。

暑さ対策として体の熱を逃がしてくれるような犬用の洋服が販売されていたり、ひんやり冷たくなるバンダナなどもありますので、暑い日にお出かけをする際には活用するようにしてみてください。

冬場は防寒対策をしっかり行う必要があります。

特に毛が少ない犬種や寒がりな犬種は洋服を着せるなどして防寒対策をしましょう。

最近では犬のために体の熱を保ってくれるアンダーウェアなども販売されていますので試してみると良いかもしれません。

また、高齢の犬の場合にはある程度体をほぐしてからお散歩に行くようにすることで怪我を防ぐこともできます。

 

興奮させすぎないことが重要

お散歩は犬にとってはとても楽しいものです。

そのため、興奮しすぎてしまうこともあると思います。

しかし、興奮させすぎは事故や怪我の原因になるので注意が必要です。

興奮しすぎたことによっていきなりリードを引っ張られて手から離れてしまったというケースは少なくありません。

また、興奮していることによって通行人に飛びかかってしまったり、自転車や車に向かっていってしまうこともあります。

周りの人や愛犬の身を守るためにも興奮しすぎている場合には落ち着かせてからお散歩に行くようにします。

落ち着かせるためには、お散歩に行く前に少し室内で遊んであげると良いです。

エネルギーを室内で発散させてからお散歩に行くようにしましょう。

 

リードは伸縮しないものがおすすめ

ペットショップやホームセンターにはたくさんの種類のリードが販売されています。

その中でもある程度の長さまで伸びたり縮んだりする伸縮リードはなるべく使用しないようにすることをおすすめします。

伸縮リードは愛犬が自由に動き回れるというメリットがありますが、愛犬をコントロールしにくいというデメリットがあるのです。

道路などで伸縮リードを使っていた場合、通行人や自転車が来た時に瞬時に愛犬を引き寄せることが難しいのです。

愛犬をコントロールしにくいことによって事故につながることがあるので、普段お散歩する時には伸縮しないものを使用しましょう。

広場などの十分に広さがある場所でボール遊びをするときなどには伸縮リードは役に立ちます。

ただし、体格に合ったものを選ばないと簡単に切れてしまうことがあるので注意が必要です。

 

高齢犬は無理にお散歩に連れて行かない

高齢になってくると体力が落ちてしまい、お散歩することを嫌がるようになる犬もいます。このような場合には無理にお散歩に連れて行かないようにすることも大切です。

体力の衰えを防ぐためにお散歩には行った方が良いのでは?と考える飼い主さんもいると思いますが、無理なお散歩は関節を痛めたり、体への大きな負担になることがあります。

体力の衰えが心配な場合にはお家の中で一緒に遊んだりしてお散歩の代わりに運動ができるようにしてあげると良いです。

また、お散歩することができなくてもペットカートなどで外の空気を吸わせてあげるようにするとストレス発散にもなるのでおすすめです。

 

引っ張られても引っ張り返さない

お散歩をしていると飼い主さんと愛犬で引っ張りっこになってしまうことがあります。

リードを犬に引っ張られても飼い主さんは引っ張り返してはいけません。引っ張り返すことによって余計にエスカレートしてしまうことがあります。

また、強く引っ張ったことによって愛犬の体に大きな負担がかかってしまうこともあるので注意が必要です。

お散歩の際の引っ張りを直したい場合には、リードを引っ張られたら一旦歩くのをやめるようにしましょう。

歩くのをやめることによってリードを引っ張るとお散歩ができなくなってしまうと理解するようになります。

その他にも飼い主さんよりも愛犬が前に出たら方向転換をして、お散歩の主導権は飼い主さんにあることを教える方法もあります。

お散歩はトレーニングをすることによって上手にできるようになりますので、根気よく続けてみてください。

お散歩がもたらす嬉しい効果

お散歩にも正しいやり方があることが理解していただけたと思います。

では、お散歩をすることによってどのような嬉しい効果が期待できるのでしょうか。

お散歩のメリットはたくさんありますので説明していこうと思います。

 

体力の衰えを防ぐことができる

お散歩をすることによって筋力を維持することができ、体力の衰えを防ぐことができます。

若いうちから正しいお散歩をしておくことによって高齢犬になっても健康的に過ごすことができたり、関節が強くなります。

運動の中でも歩くことは体への負担を最小限に抑えてできる運動と言われています。

高齢になってもお散歩ができる体を作っておくことは非常に大切なことなのです。

 

ストレス発散につながる

最近は小型犬なら室内の運動だけで十分と言われることも多くなってきました。

確かに室内だけでも必要な運動量を満たすことはできるかもしれません。

しかし、1日1回は外にお散歩に行くことをおすすめします。

犬も室内でずっと過ごしていたらストレスが溜まってしまいます。

外にお散歩に行くことは運動不足の解消だけでなく、ストレスの発散にもつながるのです。

犬にとってお散歩は至福の時間であり、リラックスするために欠かせないものなのです。

外に出さないで室内にいることによってストレスが溜まり、問題行動を引き起こすこともあります。

室内の運動で十分であっても外の空気を吸わせてあげる時間を確保してあげるようにしてくださいね。

 

肥満解消

お散歩は肥満解消にもつながります。肥満は病気を引き起こす原因になりますので、なるべく太らせないようにすることが大切です。

食事の管理はもちろんですが、お散歩によって適度に運動することによって肥満は解消されていきます。

ただし、肥満を解消しようとして過度な運動をすると体へ大きな負担がかかりますし、関節にもよくありませんので無理はしないようにすることが大切です。

最初のうちは短い時間から始めて、体重が徐々に落ちてきたらお散歩時間を少しずつ延ばしていくと良いでしょう。

 

ライフステージに合わせたお散歩の仕方

お散歩は正しく行うことによって嬉しい効果が期待でき、健康を維持する上でも重要であることがわかりました。

ここからはライフステージに合わせたお散歩の仕方について紹介します。ライフステージごとにお散歩の仕方は変えていく必要がありますので正しく理解して、愛犬の体に負担がかかりすぎないようにすることが大切です。

 

子犬期

子犬期はワクチンプログラムが終了するまでは外を歩かせることは控えた方が良いです。

ワクチンによってさまざまな感染症の抗体が出来上がっていないと命に関わる感染症にかかってしまう危険性があるからです。

しかし、子犬期には日常に溢れているさまざまな音や物に慣れさせていく社会化が必要な時期でもあります。

お散歩はできないものの、抱っこしたりキャリーなどに入れて外に出ることはできます。

なるべく子犬期には外の環境に触れさせておくようにしましょう。

また、ワクチンプログラムが終わったらお散歩に行くことができるようになりますが、最初のうちはお家の周りを一周してみたり、近所を軽く歩いてみるようにしてお散歩に慣れさせましょう。

最初のうちから遠くに出かけたり、長時間歩かせることは避けた方が良いです。

子犬は体力もまだないので長時間歩かせることによって体調を崩してしまうこともあります。

ある程度お散歩にも慣れて、体も大きくなってきたら徐々にお散歩の時間を延ばすようにしてみてください。

また、子犬期から引っ張ったりしないようにしつけをしておくことで上手にお散歩ができるようになりますのでトレーニングを行ってあげることも大切です。

 

成犬期

成犬期は最も体力があり、運動量を必要とする時期です。

先ほど紹介した運動量の目安を参考にして、できれば毎日お散歩に連れていってあげてください。

また、週末や休日にはドッグランなどに連れて行ったり、どこか遠くにお出かけに連れていってあげるのも良いでしょう。

たくさん体力がある時期だからこそ、いろいろなところにお出かけして思い出作りをしてあげるのが良いです。

一方で、お散歩で体力を使わないと余ったエネルギーを発散するために問題行動を引き起こしやすい時期でもありますので、しっかりと運動させてあげてください。

どうしてもお散歩に連れて行けない時にはお家で一緒に遊ぶ時間をいつもより多く確保してあげたり、お庭で遊ばせてあげるといった工夫をしてあげることで愛犬もストレスを溜め込まずに済みます。

 

老犬期

老犬期はだんだんと体力が落ちてくる時期です。

成犬期のようにたくさん歩くことができなくなってくる犬もいます。

体力に合わせて、お散歩する時間を調節するようにしてあげてください。また、お散歩に行く前には手足を曲げ伸ばししてストレッチを行ってあげることによって怪我を予防することができます。

特に寒い日にはストレッチを行ってからお散歩に行くようにしてあげてください。

ストレッチの際には温めたタオルなどで体を温めながら行ってあげると血行が促進されるのでおすすめです。

老犬になってくると歩く速度などもゆっくりになってくることもありますので、愛犬に合わせてあげるようにしてあげてください。

また、成犬などのように俊敏な動きができなくなってくるので車や自転車などには十分に注意してお散歩するようにしてあげてください。

できれば人通りの少ない安全な道を選んでお散歩してあげることをおすすめします。

老犬になるとお散歩の途中で止まってしまうことも多々あると思います。

しかし、無理に引っ張って動かそうとせず、動くまで待ってあげるようにしましょう。

お散歩の際にはおやつを持っておくとスムーズにお散歩ができることがあります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は愛犬との正しいお散歩の仕方について紹介しました。

お散歩と言われるとただ、犬と一緒に歩くだけでしょ?と思っていた飼い主さんもいると思いますが、適切な時間やライフステージごとにお散歩の仕方は変わってくることが理解していただけたと思います。

犬の大好きなお散歩の時間がより楽しく、健康的なものになるように今回紹介した内容を実践してみてください。

りっちゃん

■保有資格

愛犬飼育スペシャリスト

■経歴

元動物看護師

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