外に行きたがる猫をおうち大好き猫にする方法
愛猫が、玄関から人が出入りすると、外に行こうとしたり、ひがな一日、ずっと外を見ていたりすると、「外に行きたいの?」と尋ねてみたくなります。
特に一度でも外で暮らしたことのある猫を家猫にしようとしていると、猫に我慢を強いているのではないか?
と、自分の飼育方法に迷いを感じてしまう飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
けれども、飼い猫にとって、人と一緒に家の中で暮す以上に安全な場所はありません。
例え、猫がストレスを感じることがあっても、家猫は外に出すべきではないのです。
そこで今回は、外に行きたがる猫をおうち大好き猫にする方法について、ご紹介したいと思います!
もくじ
外に行きたがる理由
〇不安だから
まだ、幼い子猫は、性格にもよりますが、新しい環境に身を置かれても、不安を感じるよりも、好奇心が勝って、すぐに活発に動き回ります。
けれども、成猫になってから新しい環境に入ったら、猫の感情も複雑になって心細さや不安を感じるようになります。
もしかすると、「知らない場所で監禁されたような気持ち」になっているのかも
知れません。
〇縄張りを見回りたいから
私たちが抱く「猫のなわばり」とは、猫が自分の足で歩いて、自分のニオイをつけた場所をくまなく巡回している…というイメージです。
ですが、実際には、家猫が「自分のなわばり」だと思っているのは、家の中はもちろん、家の中からその猫が見渡せる範囲もその中に含まれます。
「見えているのに、実際にその場所のニオイすら嗅いだことがない」ワケですから、気になって仕方がないのです。だから、外に行くのを怖がる猫でも、ずっと外を眺めているのです。
〇狩猟本能が疼くから
猫が「猫じゃらし」などで遊ぶのが好きなのは、「素早く動いているものを捕まえたい」
「捕まえて、咥えたい」という欲求が満たされるからです。「獲物を捕まえて食べたい」ワケではなく、例え、お腹が満たされていても、猫は狩りがしたくてたまらないのです。
〇発情期だから
狩猟本能の強さと同じで、猫の理性ではどうしようもない欲求が「発情」です。
オスは、発情したメス猫のニオイに触発されて発情し、メス猫はいわゆる「盛り」の時期になると発情し、身悶えするほど、オスと交尾したがります。
去勢、避妊を施していない猫が発情期の時、本能に突き動かされて、生殖行動を取ろうと、外にいる異性の猫を求めて外に出たがることが多く、そういった欲求はかなり強いので特に注意が必要です。
〇退屈だから
子猫から成猫になる時期に、単調な生活をしているとどうしても退屈します。
人間の子どもが思春期を迎える時に、外の世界に刺激を求めるのと同じで、
猫も退屈すると、ドキドキしたりハラハラしたりする刺激を感じたいのかも知れません。
■猫が外に出たがっている時に見せる行動
〇大きな声で鳴く
実は、野良猫や野生の猫など、人間と接することのない環境で生きている猫は、発情期以外、仲間同士での込みニュケーションを取るとき、鳴き声を上げることはありません。
それに対して、家猫は、自分が鳴くことで飼い主さんと意思疎通ができることを経験で学んでいきます。
外に出して、という意思表示を示すために猫が鳴いているのなら、猫は自分が鳴くことで飼い主さんは、自分の意思を理解してくれる、という信頼感を持っている証拠です。
〇尻尾を揺らしながら、ずっと窓の外を見ている
ずっと外を見ているからと言って、全ての猫が外に行きたがるワケではありません。
頑として外に出たがらない怖がりの猫でも、窓からずっと外を眺めています。
外に行きたがる猫と、外に行きたがらない猫の違いは、尻尾の動きに顕れます。
外に行きたがる猫は、感情が激しく動き、その感情の動きに反応して、尻尾も激しく左右に揺れます。
一方、外に行きたがらない猫は、平常心で、のんびりと自分の縄張りを眺めているだけなので、ほとんど尻尾は動きません。
〇人が出入りする際、外に出ようとする
家族の誰かが外出しようとするときや、掃き出し窓を開けた時などに、どこからともなく
静かにやってきて、隙あらば外に出ようとします。
〇クラッキングをする
「クラッキング」とは、猫が口を素早く動かしながら、「カカカ」や「ケケケ」という鳴き声を立てることを言います。
この行動は、「獲物」がいるのに、捕まえられない時に見られます。
人に飼育されている猫だけに見られる行動で、同じネコ科のライオンや虎などには見られないそうです。
窓の外に雀や蝶、ヤモリなどがいて、見えているのに捕まえることが出来ない、と言った猫が「もどかしい~!」と思っている時に出る行動です。
〇粗相をする
メス猫でも、発情期の時、普段、自分が使っているトイレ以外のところで排尿することがありますが、日常的にストレスを感じている場合も、意図的にところかまわずオシッコをすることがあります。
また、オス猫も発情期でもないのに、尻尾を高く上げて柱や壁などの垂直面にオシッコをかけるスプレー行動をする時も、かなりストレスを感じていると考えられます。
■家猫が外に出ることで考えられるリスク
〇事故に遭う
普段、家の中で暮している猫を外に出すということは、自由気ままに歩き回る幼稚園ぐらいの子どもさんを外に一人で出すことと変わりありません。
朝は、なんの変りもなく元気だったのに、いつものようにふらりと外に行き、二度と帰ってこなかったら…?
あるいは、「お宅の猫、道路で死んでたよ」とご近所の人に教えられたら…?
そんなことを考えたら、愛猫を外に出すことが恐ろしくなりませんか?
〇妊娠する
猫は、「多排卵動物」といって、1回の発情期で5~6個を排卵します。
そのため、妊娠する確率は非常に高く、なおかつ、妊娠期間が2か月と短いため、避妊手術していないメスを外に出すと、野良猫や、外飼いのオス猫と交尾して、妊娠してしまう恐れがあります。
〇病気に感染する
猫同士のケガによって、猫エイズなどに感染したり、疥癬などの皮膚病に感染するリスクもあります。
また、腐敗した生ごみなどを食べることによって下痢をすることも考えられます。
〇ご近所トラブルになる
世の中の全ての人が猫好きではありません。
せっかくキレイに手入れをした庭に猫が糞尿をすることを腹立たしく思う人もいますし、衆化された生ごみを荒らすことを不快に思っている人など、それぞれの立場や価値観があります。
中には、猫を憎むあまり、毒餌を仕掛ける人もいるかも知れません。
そういったトラブルに巻き込まれないためにも、愛猫を外に出すのは避けるべきです。
〇寿命が短くなる
総合的に考えて、家の中だけで過ごすよりも、外で過ごす方がリスクが多いと言えます。
家の中で過ごすことで猫がストレスを感じることを考えるよりも、外に出した時にさまざまなリスクがあり、その結果、猫の寿命を縮めることになる
ことは、間違いありません。
■外に行きたがる猫をおうち大好き猫にする方法
〇家の中でも楽しめる環境にする
高低差があったり、アスレチック要素が多めキャットタワーを設置したり、猫が隠れられる小型のテントや、猫が一人遊びできるようなおもちゃを用意して、猫が十分に運動できたり、隠れたりできる場所を用意し、家の中でも楽しめる環境を整えてあげましょう。
〇外の空気を感じられる場所を用意する
猫が脱走しないように柵を作ったり、庭やベランダに大きめのキャットケージを設置したりするなど、外の空気を感じられる場所を用意しましょう。
ただし、盗難などの危険性があるので、例え、キャットケージの中に入っていたとしても、外に出しっぱなしにしてはいけません。
〇猫が心地よく過ごせる場所を用意する
人間の子どもにも「子ども部屋」が必要なように、猫には、猫にとってのプライベート空間、個室のような場所も必要です。
一人きりでぐっすり眠れたり、寛げる場所があれば、猫の気持ちが安定しますので、十分に遊べる場所と共に、猫にとって居心地の良い場所も用意してあげましょう。
〇「飼い主さん大好き猫」にする
人間でも、欲しいときに欲しいものをくれて、どんな危険なことからも守ってくれて、美味しいご飯を与えてくれて、優しく接してくれる人のことを嫌いになることはありません。
猫が外に出たい、という欲求に対して、その欲求を猫が忘れるぐらい遊んでくれたり、
気ままに過ごしたい時は遠くから優しく見守ってくれたりして、猫の気持ちに温かく応えてくれる飼い主さんなら、きっと猫は「飼い主さん大好き猫」となるでしょう。
飼い主さんとの生活で、全てにおいて猫が満足するようになれば、外に出たいと言う欲求もやがて薄れていきます。
■「猫さんぽ」のススメ
〇「猫散歩」の仕方
どんなに外の世界に慣れている猫でも、大きな音に驚いて急に走り出したり、野良猫と喧嘩になったりする恐れがあります。
なるべく、静かな住宅街か、人気の少ない公園など、自転車、自動車の行き来が少ない場所を選び、ハーネスを装着して出かけましょう。
普段、着けている猫用の首輪は、強い衝撃があると外れるようになっています。
ですから、「猫さんぽ」に出かける時、同じ首輪にリードをかけると、強く引っ張れば首輪が外れてしまいます。
また、小型犬用の首輪を使うと、万が一リードが外れて猫が外に逃げ出した時、木の枝などに首輪が引っ掛かると、窒息する危険性があります。
ですから、「猫さんぽ」の時は、リードよりも、断然、ハーネスをオススメします。
ハーネスなら、猫の体をしっかりホールドし、かつ、抜けることなく、飼い主さんと猫を繋いでくれます。
〇「猫散歩」をする時の注意
まず、ハーネスは必ず装着しましょう。そして、公園など自然が豊かな場所を訪れるのであれば、ノミやダニの駆除薬もあらかじめ投薬しておきます。
特にマダニは、重症性血小板現象症候群、ライム病などを媒介し、人間にも感染する可能性があるので、「猫さんぽ」にチャレンジすると決めたのなら、猫の健康診断もかねて、動物病院を受診し、投薬を始めてください。
■「猫さんぽ」のメリットとデメリット
〇メリットその1
やはり、一番のメリットは、猫のストレスを発散できることです。犬の散歩の様に、30分も長く出かける必要はありません。猫が外を眺めている時に見える範囲だけでも、「パトロールできた!」と、最初は短い時間でも満足してくれるはずです。
〇メリットその2
猫をリードで繋いで、外を歩けるようになると、水害、地震などで避難しなければならなくなった時に、同行避難しやすくなります。
避難時にはキャリーに入れて移動しますが、自宅に帰れず、避難所生活になった時、飼い主さんと散歩できない猫は、避難生活の間、ずっとクレートやキャリーに入れられっぱなしになります。
その状態が長く続けば、猫も運動不足になりますし、また、ストレスも溜まります。
けれども、もし、「猫さんぽ」が出来るようになれば、ハーネスを付け、リードで繋ぎ、外に連れ出してあげることが出来、猫のストレスを軽減し、運動もさせてあげることが出来ます。
〇デメリット その1
外に出かけることによって、草むらや野良猫の通り道を歩くことあるでしょう。
そこにノミやダニが生息していたら、猫の毛にとりついて、家の中にノミが入り込んでくるかもしれません。「猫さんぽ」が終わって、家に帰ったら、必ずブラッシングをし、猫の体にノミやダニがついていないかをチェックする習慣をつけましょう。
〇デメリット その2
リードやハーネスをつけていても、大きな音などで猫が驚いて、首輪やハーネスが外れてしまう危険性があります。
脱走や迷子になる可能性があることを考えて、首輪には飼い主さんの連絡先を書いておきましょう。
■まとめ
本当に猫を大切に思っている飼い主さんだからこそ、「外に出たいよ、外に出してよ」と言う猫の気持ちを察することが出来、また逆に猫の方も、「この人なら自分の欲求を理解してくれる」と信用しているから、意思表示をするのです。
例え、ひっきりなしに大きな声で鳴いたり、家の中のあちこちにオシッコをまき散らすような意思表示の仕方をされても、愛猫に健やかに長生きして欲しいのなら、くじけてはいけません。
「この子の命を守れるのは、私たち家族だけなんだ」と強く心に決めて、猫の「外に出たい」と言う気持ちが薄れていくまで、出来る限りの対処をしましょう。
「猫は自由気ままに生きるのが幸せなのかもしれない」と迷うこともあるでしょう。
けれども、私たち人間が考えるより、猫と言う動物はずっと柔軟に環境に対応できる動物です。
飼い主さんが愛猫のことを思って、「おうち大好き猫になって欲しい」と願って頑張れば、必ずその気持ちは猫に通じます。
そして、外に出たいと言う行動が納まると同時に、「おうち大好き、飼い主さん大好き猫」になってくれることでしょう。
