ドッグトレーナーが教える!誰でも簡単なトイレトレーニング
おそらく、犬を飼っている人のほとんどが子犬のトイレトレーニングの失敗を経験したことがあるのではないでしょうか?
「犬のトイレトレーニングは完璧」といえるのは、トイレシートから少しもおしっこやうんちがはみ出ないということです。
この記事では、特に子犬期に重要なトイレトレーニングの手順についてご紹介します。
もくじ
子犬のトイレトレーニングを始める時期
そもそも、子犬のトイレトレーニングはいつから行えばよいのでしょうか?
実は、このトイレトレーニングを始める時期こそが、多くの人が勘違いをしていることなのかもしれません。
子犬を迎え入れた瞬間から始める
ペットショップやブリーダーで犬を迎え入れたときに、多くの飼い主が失敗するのが、帰宅後すぐに犬を家の中に放してしまうことです。
そもそも、飼い主は住み慣れた家に帰ってこれたかもしれませんが、犬にとっては家の中は未知の場所です。
そのため、突然広々とした場所に放たれると、子犬がパニックになってしまうことがあります。
また、興奮して失禁することもあるでしょう。
そして、犬自身は知らない人に抱きかかえられながら移動をしたことで、緊張していたことも考えられます。
家の中に放たれることで、その緊張がほぐれてしまうこともあるはずです。
私たち人間も、帰宅をすると緊張感がなくなるからかトイレに行きたくなることがあります。
それと同様に、子犬も床に置かれたことにより、移動の緊張から解き放たれてしまうことが考えられます。
結果的に床に置かれた瞬間におしっこをしてしまい、飼い主を困られることになるでしょう。
逆にいえば、この子犬の緊張感を生かして、はじめのうちにトイレトレーニングを済ませてしまうことが可能です。
これらのことが理由となるため、子犬のトイレトレーニングは子犬を家に迎え入れた瞬間から行いましょう。
子犬のトイレトレーニングは1週間で完了する
子犬のトイレトレーニングは、だいたい1週間で完了します。
もちろん個体差はありますが、正しいトイレトレーニングをしていれば、1週間もあれば失敗をしないようになるはずです。
子犬のトイレトレーニングの際に用意するもの
子犬のトイレトレーニングの詳しい手順は後述しますが、トイレトレーニングをする際に事前に用意しておくものをご紹介します。
家の中に道具を設置しておくことが必要なため、子犬のトイレトレーニングは子犬を迎え入れる前から始まっているといっても過言ではありません。
そのため、スムーズなトイレトレーニングをしたいのであれば、子犬を衝動的に購入するのは避けたほうがよいといえます。
子犬のトイレトレーニングに必要なものは、3つあります。
ひとつは、子犬の寝床にもなるケージです。
ケージは、子犬が座った状態でも窮屈でないものを選びましょう。
成犬になっても使い続けることを考慮して、一回り大きめのケージを選ぶとよいです。
そして2つ目は、トイレシートです。
トイレトレーニングなので当然ですが、トイレシートがなければ子犬のトイレトレーニングをすることができません。
そして最後は、ご褒美です。
ご褒美はおもちゃやおやつが挙げられますが、子犬は消化器官が発達していないこともあるため、おやつではなくおもちゃのほうがよいでしょう。
おもちゃをご褒美とすることで、成犬になった後もおもちゃ好きでしつけのしやすい犬になるはずです。
子犬のトイレトレーニングの手順
それでは本題である、子犬のトイレトレーニングの手順について見ていきましょう。
完璧なトイレトレーニングを目指すには、細かく手順を踏まなければなりません。
そのため、はじめのうちは苦労することもあるでしょう。
しかし、最初に苦労をすることで、その後は犬と飼い主がお互い快適に生活をすることに繋がるはずなので、根気よく行いましょう。
ケージ一面にトイレシートを敷く
子犬を迎え入れたときに、そのまま家の中に放すのではなく、ひとまずはケージに入れてしまいましょう。
ケージには、事前に用意したトイレシートを一面に敷いておきます。
そうすることで、子犬はどこでおしっこをしたとしても、トイレを失敗することはなくなるはずです。
つまり、最初に行うトイレは、かならず成功するということになります。
トイレシートが敷かれたケージに犬を入れると、犬は床のにおいを嗅いでそわそわするはずです。
すぐにおしっこをすればよいですが、子犬によっては数十分おしっこをしないこともあります。
犬をケージから出したい気持ちはあるでしょうが、そこは犬がおしっこをするのを待ちましょう。
おそらく、ほとんどの子犬はケージに入れてから30分以内におしっこをするはずです。
そこで、子犬を思い切り褒めてあげましょう。
子犬がおしっこをしている間は、常に「おしっこできたね!えらいね!」などと褒め続けます。
子犬を褒めた後には、ご褒美を与えましょう。
そして子犬がおしっこをし終わったらケージから出してあげて、汚れたトイレシートを片付けます。
まずは、子犬に「おしっこをしたら褒められた」と認識してもらうことが大切です。
子犬がそわそわしたときにはケージに入れる
子犬は、おしっこやうんちをしたくなったら、床のにおいを嗅いでそわそわするはずです。
そのときに子犬を放っておくとそのままその場所でおしっこをしてしまうため、子犬がそわそわしたときにはケージに入れてあげましょう。
ケージには、ふたたびトイレシートを一面に敷いておきます。
そしておしっこやうんちをトイレシートの上でできたら、子犬を思い切り褒めてあげましょう。
もちろん褒めた後のご褒美も忘れずに与えて、子犬に「トイレシートの上でおしっこをしたらまた褒められた」と何度も感じてもらいます。
徐々にトイレシートの範囲を狭くする
子犬が何度もケージ一面に敷かれたトイレシートの上でおしっこをすることができたら、徐々にトイレシートの範囲を狭くしていきましょう。
最初の3日から5日ほどはケージ一面にトイレシートを敷いて問題ありませんが、徐々にトイレシートを狭くしていくことで、トイレトレーニングの強化に繋がります。
ケージ一面からケージの4/5、3/5、そして半分と徐々にトイレシートの範囲を狭くしていきます。
トイレシートを狭くしてもしっかりとトイレシートの上でおしっこができたときには、いままで以上に褒めてあげましょう。
いままで以上に子犬を褒めることで、子犬は「このシートの上でおしっこをしたら褒められた。ということは、これはトイレなのかな?」と理解するようになります。
だいたいケージの半面までトイレシートを狭めることができれば、トイレトレーニングは完了したといえるでしょう。
これで、ケージの半面にベッドを置いて寝床にすることもできますし、ケージ以外の部屋にトイレシートを敷いてそこをトイレにすることも可能です。
トイレトレーニングの失敗とは?
子犬のトイレトレーニングは、飼い主自身が妥協をするといつまでも完璧に覚えることはありません。
トイレトレーニングの失敗とは、おしっこやうんちが少しでもトイレシートからはみ出してしまうことをいいます。
トイレシートからおしっこがはみ出してしまうというのは、まだトイレトレーニングが完了しているとはいえないでしょう。
そのため、子犬のトイレトレーニングをする際は、少しでもおしっこがはみ出たときに子犬を褒めてはいけません。
そこで褒めてしまうと子犬はトイレシートの存在を曖昧に認識するようになり、成犬になった後もトイレシートの上でおしっこはするでしょうが、何度もおしっこがはみ出てしまいその都度掃除をすることになります。
子犬がトイレトレーニングを失敗したときの対処方法
子犬が、トイレトレーニングを失敗することもあるでしょう。
そんなときに、子犬を叱るのはいけません。
トイレトレーニングの際に子犬を叱ると、子犬は「トイレシートの上でおしっこができなかったから叱られた」のではなく、「家の中でおしっこをした」から叱られたと勘違いしてしまいます。
一度そう感じると、家の中でのトイレトレーニングに苦労することになるでしょう。
子犬はおしっこをしたくても我慢するようになり、我慢できなくなったタイミングでおしっこをしてしまいます。
もちろんトイレシートの上でおしっこをするわけではないため、さらにトイレトレーニングがしにくくなるはずです。
それでは、子犬がトイレトレーニングを失敗したときには、どのように対処をすればよいのでしょうか?
正しい対処方法としては、子犬を無視して淡々と掃除をすることです。
子犬は飼い主に構ってもらったら、自然と褒められたと認識してしまいます。
そのため、トイレシート以外の場所でおしっこをしたときに「あーっ!」と慌てたような反応をしてしまうと、子犬は飼い主の反応が面白く、褒められたと感じるでしょう。
しかし無視をされることで、子犬は飼い主に褒められたと感じることはありません。
トイレトレーニングを失敗すると飼い主は無反応ですが、成功したら思い切り褒めてもらえるのであれば、「この上でおしっこをしたらよいのか!」と子犬はかならず理解するようになります。
子犬のトイレトレーニングは意外にも難しいですが、失敗しても子犬のことを叱らないようにしましょう。
子犬のトイレトレーニングをする際の注意点・コツ
最後に、子犬のトイレトレーニングをする際の注意点についてご紹介します。
併せてコツもご説明しますので、これらのことに気を付けながら子犬のトレーニングにチャレンジしてみましょう。
叱らない
詳しくは先述しているため省きますが、トイレトレーニングでもっとも大切なのは犬を叱らないということです。
トイレトレーニングは、子犬がはじめて取り組むしつけのひとつです。
ここで飼い主に叱られてしまうと、しつけに対してネガティブがイメージを持ってしまいます。
逆に飼い主に叱られずに何度も褒められることで、子犬は「しつけって楽しいんだ!」と理解するようになり、その後の「おすわり」や「伏せ」などのしつけに対してもモチベーション高く取り組んでくれるようになるでしょう。
褒めるときには大げさに褒める
子犬に限らず、犬を褒めるときには大げさに褒めることが大切です。
犬が褒められていると理解しなければ、しつけの強化には繋がりません。
そのため、子犬の頭を撫でて「よしよし」と褒めるのではなく、手を広げて大きな声で「えらい!すごいね!」と褒めてあげましょう。
なるべく高い声で褒めることで、さらに犬に褒めていることが伝わるはずです。
ご褒美は褒めた後に与える
子犬のトイレトレーニングのご褒美は、かならず子犬を褒めた後に与えましょう。
褒めるのと同時にご褒美を与えてしまうと、子犬は飼い主に褒められたことよりも、ご褒美をもらえた喜びのほうが先行してしまいます。
そうすると、「飼い主に褒められるため」ではなく、「ご褒美をもらうため」にしつけに取り組むようになります。
これは、成犬になってからのしつけのモチベーションにも繋がるため、かならず子犬を褒めた後にご褒美を与えるようにしましょう。
根気よく行う
最初の1週間で完璧にトイレを覚える子犬もいれば、2・3週間かかってもトイレを覚えない子犬もいるでしょう。
これはトイレトレーニングのやり方にもよりますが、正しいトイレトレーニングをしているのであれば、子犬の個体差でしかありません。
何度もトイレの失敗があると、しつけの方法が間違っているのではと悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、トイレトレーニングは根気よく行うことで、かならず完璧に覚えることができます。
しっかりと褒める、叱らない、妥協をしないの3点を守っていれば、いつか子犬はトイレを覚えてくれるでしょう。
まとめ
子犬のトイレトレーニングは、子犬を迎え入れたその瞬間から始まります。
ケージ一面に敷いたトイレシートの上でおしっこをすることができたら、思い切り褒めてあげましょう。
トイレトレーニングで大切なのは、子犬を叱らないということです。
もしもトイレを失敗してしまった場合には、叱らずに無視をして掃除をしましょう。
子犬にとって人間に構ってもらえないというのは、叱られているのと同様です。
叱らずに、成功したときだけ大げさに褒めてあげましょう。