猫の爪とぎで、家具が傷だらけ?爪とぎの場所を決めるための工夫 3選
猫と一緒に暮らしていると、その爪のするどさにびっくりしたり、困ったりすることが
たくさんあると思います。
特に、爪とぎでカーペットやソファ、壁紙などがボロボロになってしまうのが
一番の悩みではないでしょうか。
そこで、今回は猫がおうちの中の家具を傷だらけにしないよう、
飼い主さんが爪とぎの場所を決めるための工夫について、ご紹介したいと思います。
もくじ
■どうして猫は爪とぎをするの?
〇マーキングをしたいから
動物には、「臭線(しゅうせん)」と言われる分泌腺があります。
そこから、いわゆる「フェロモン」という化学物質が分泌されていて、
そのニオイを使って、自分のテリトリーを主張したり、仲間同士で子ミニケーションを
行います。
猫の場合、その「臭線」は、おでこや唇、あごの下、そして、肉球にあって、そこからフェロモンが分泌されます。
つまり、その場所に自分のニオイを残すために爪とぎをするのです。
けれど、肉球をこすりつけるだけでその場所にニオイを残せるのですから、爪を立てて、その場所を傷つける必要ないはずです。
では、なぜ、猫はわざわざ爪を出して、ガリガリとその場所を引っ搔いて、疵を残すのでしょう?
実は、猫にとってマーキングの意味を持って「爪を研ぐ」場合、ただニオイをその場に残すだけではなく、自分の強さを誇示する印を残すという目的があります。
つまり、「ここは、私の縄張りだよ!私は、こんなに高い場所に爪が研げるくらい、体が大きいんだよ!」と、自分の強さや体の大きさなどを他の猫にアピールするために、出来るだけ高い場所に、しかも、力強く爪を立てて深い疵を残します。
〇爪の手入れをしたいから
猫にとって自分の爪は、食べ物を得るために狩りをする時の大切な武器です。
常に、最高の殺傷能力を維持していなければ「ご飯が食べられないかも」と気が気ではありません。
また、猫は縄張りを持ち、その中で狩りをしますが、そのテリトリーをめぐって、他の猫と争うのは野良猫にとっては、日常茶飯事です。
猫が人に飼育されるようになったのは、愛らしさや癒しを求められたのではなく、人間が育てた作物をネズミから守るという仕事をさせるためでした。
ですから、人に飼育されるようになっても、その習性が消えることはありません。
当然のことですが、今、私たちが家族の一員として一緒に暮らしている猫にも、獲物を狩りたい、という本能的な欲求があります。
「いつでも、狩りが出来るし、仲間と喧嘩になったり、他の動物に襲われても大丈夫」という安心感を得るために、猫は爪を研いで、手入れをしたいのです。
ちなみに、猫が主として用いるのは前足なので、爪とぎをするのも前足だけです
〇気分転換
深く眠っていて目が覚め、「さあ、今から活動するか!」という時や、一緒に暮らしている仲間や家族とうまくコミュニケーションが取れなかったり、猫にとって心理的ストレスを感じた時、気分転換をするために爪を研ぐことがあります。
■猫の爪の仕組み
〇爪の構造
猫の爪は、玉ねぎのような層になっています。
表面に行くほど、古くなっていて、新しい爪はその内側にあり、さらに爪の中心部分には、神経や血管が通っています。
爪とぎをすると、古い爪が剥がれ落ち、新しく、非常に鋭い爪が表面に出てきます。
〇爪が出し入れ出来る仕組み
猫の爪は、私たち人間の爪と違って、自由に爪を出し入れすることが出来ます。
私たち飼い主は、「猫は自由に爪を出したり、しまったりする」と知ってはいますが、そのメカニズムについて深く知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
猫の爪は、普段、じん帯によって肉球の中に格納されています。
出しっぱなしにしていると、爪が摩耗してしまうためと、足音を立てないようにするためです。
では、逆に爪を出す時は、爪の下に付着した腱が筋肉に引っ張られると、爪が外に飛び出す構造になっています。
■爪とぎをしなかった時のリスク 3選
〇爪が破損する
猫の気質によって、爪とぎの頻度ややり方、激しさが違います。
まれに、ほとんど爪とぎをしようとしないタイプの猫もいます。
爪とぎをしない猫は、飼い主さんにとっては「家具や壁を傷つけなくていい子」だと感じるでしょうが、そういう場合は必ず、きちんと爪切りなどのケアをする必要があります。
伸びっぱなしにすると、高いところから着地した時などに、根本からぽっきりと折れてしまうケースがあるためです。
〇巻き爪になる
猫の爪は、内側に向かって伸びていきます。
手入れをせずに放っておくと、当然、爪はどんどん伸びていき、やがて肉球にまで届いてそこに突き刺さります。
さらに放置すると、いよいよ肉球に爪が刺さって肉球を傷つけてしまい、出血し、そこから化膿してしまうこともあります。
〇体調の変化に気付きにくい
爪とぎをしていた猫が急に爪とぎを止めた…という時は、猫の体調になにか変化があった可能性があります。
「いつも爪を研いでいたけど、最近しなくなって良かった」と安心する前に、食欲はあるか、目に生気はあるか、尿や大便の量、においに異常はないかなど猫の様子にしっかり注意を払って、よく観察してみましょう。
■猫に爪とぎをしてはいけない場所を教える方法 3選
〇ダメ!と大声を出して、全力で叱る
家族に迎えて日が浅い猫には、人間の感情など理解出来ないでしょうから、信頼関係を築く前に、大声で猫を叱ったりすると、人間に対する恐怖を植え付けてしまうことになりかねません。
確かに、まだ人慣れしていない猫に対して、「大声で叱る」という方法は間違っています。
けれども、実際に猫と暮らしていると、猫も、犬と同様に表情や声から、私たち飼い主の感情を察知できていることがわかります。
ですから、深い信頼関係が築けていれば、飼い主さんが自分に対して怒っている、ということも、猫は飼い主さんの表情や声で理解します。
もっと、猫の能力を信じましょう。
大切なのは、「どうして、怒られているのか」を猫が理解出来るように叱ることです。
ただし、「ダメ!」と大声で叱るだけです。決して叩いたり、投げつけたりと言った体罰を与えてはいけません。
〇爪とぎをしてもいい場所を与える
猫に「爪とぎを止めなさい」というのは、私たちにとって全てのストレス解消法を取り上げられることと同じです。
ですから、ソファや壁で爪とぎをするのを止めさせたいのであれば、それ以外の場所で、猫が気持ちよく、そして、楽しく爪とぎが出来る場所を与えてあげましょう。
〇どこで爪とぎをしたい場所を把握し、その場所を「爪とぎ場所」にする
爪とぎをしてもいい場所を与える際、まず、「どこに爪とぎグッズを置けばいいか」を考えなければいけません。
そのためには、猫がどこで爪とぎをしたいのかをよく観察します。
壁に向かって爪とぎをする猫なら、その壁を「爪とぎ場所」とします。
ソファなどの家具で爪とぎをする猫なら、そこが「爪とぎ場所」です。
場所が決まれば、そこに「爪とぎグッズ」を設置して、「爪とぎをしてもいい場所」としての条件を整えます。
■爪とぎをしてほしくない時に使うグッズ 3選
〇爪とぎ防止スプレー
猫は、柑橘類やワサビ、木酢など猫が嫌うニオイの成分を配合したスプレーです。
爪とぎして欲しくない場所に用法を守って散布します。
〇爪とぎ防止シート
爪とぎシートは、猫に爪とぎをさせないために使うものです。
表面がツルツルしているため、猫は爪を立てることが出来ません。
この爪とぎ防止シートを猫が爪とぎをしたがる場所に貼って使います。
このタイプを使う時は、違う場所に猫の爪とぎ場所を作る必要があります。
〇爪とぎボード
爪とぎシートとは逆に、思う存分、猫に爪とぎをさせることが出来るグッズです。
猫が爪とぎをする場所に、爪とぎボードを設置します。
このタイプは、デザインも豊富なので、壁に貼り付けて設置することや、床に置いたり、ソファの側面に貼り付けたり、使う場所によっていろいろなタイプを選ぶことが出来ます。
■爪研ぎの場所を決めるための工夫 3選
〇どんな姿勢で爪とぎするかを観察する
ご自分の愛猫の爪とぎスタイルを観察してみましょう。
二本足で立ち上がって爪とぎをするタイプか、地面に向かってストレッチする形で爪とぎをするタイプか、それともその両方なのかを見定めます。
その姿勢の違いを見極めると、爪とぎ防止グッズのタイプを決めやすくなります。
〇どんな場所で爪とぎをするかを観察する
「猫が爪とぎをして困る」と飼い主さんが感じるのは、飼い主さんの生活に支障をきたすような場所が猫によってボロボロにされてしまうからだと思います。
とはいえ、猫に爪とぎを止めさせる躾をするのは、出来る限り避けるべきです。
なぜなら、猫の本能を無理やり押し殺すことになるので、猫にとっては大きなストレスになるからです。
では、どう対処すれば良いのでしょう?
答えは、爪とぎをしたがる場所を「爪とぎをしていい場所」として整え、猫に提供すれば良いのです。
さきほど述べた爪とぎ防止グッズや、爪とぎボードなどを組み合わせて、猫がストレスなく爪とぎが出来る「爪とぎをしていい場所」を作ってあげましょう。
〇爪を研いでほしくない家具を撤去する
もし、ソファやクッションなど、爪を研ぐ場所になっている家具や調度品に爪とぎスプレーも使えず、シートやボードも使えず、なおかつ、使用頻度が低いのであれば、いっそ、猫のために撤去するのも、一つの手段です。
そして、必ず新しく猫が安心して爪とぎを楽しむ場所を作ってあげて下さい。
■猫の爪が折れた時の対処法
爪とぎに慣れていなかったり、何かのトラブルで爪が折れてしまうことがあります。
滅多にないことですが、それだけに飼い主さんも動揺します。
猫が怪我をした時に、少しでも落ち着いて対処出来るよう、猫が爪にダメージを負った時の対処法を知っておきましょう。
〇傷口を清潔に保つ
猫の体から出血していたら、どこから出血しているかを確認します。
傷口が確認できたら、そこに触れないようにして、汚れが付着していたら、その汚れを流水で洗い流します。
水道水を嫌がるようであれば、清潔なペットボトルなどの容器を使うか、洗面器などに水を注ぎながら貯めて、その中で疵を洗います。
〇止血する
出血している場所を清潔な布やガーゼで覆い、そこから少し離れた場所を軽く押さえて止血します。
〇状態によっては獣医さんの診察を受ける
傷口を洗浄し、応急処置をしても血が止まらなかったり、いつもと明らかに様子が違う場合は、動物病院を受診して下さい。
特に、爪が折れて見えなかったり、明らかにぐったりと元気がないときは、外傷だけではない可能性があります。
そんな時は、「一晩、様子を見よう」と思わずに、すぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
■まとめ
猫にとっての爪とぎは、一つは自分の個性や主張を他の仲間にアピールするための「看板」や「ポスター」のようなものであり、また、自分の武器が常に最高の状態にしておくための手入れでもあります。
それはハンターが自分の銃を点検して、「この銃の状態なら、しっかり獲物を仕留められるし、自分の身の安全を守ることが出来るな」と安心するのと同じ意味合いがある、と考えてみましょう。
そうすれば、猫の爪とぎにどう対処するべきかを具体的に考えることが出来るように思いませんか?
私たち人間と猫は、違う動物ですが、意味のない行動はしない、という点は同じです。
今回の爪とぎのように、本能的な欲求を満たすための行動なら、完全にその行動を止めさせることは出来ません。
けれども、場所を変えたり、爪とぎをしてもいい環境を作ることで、問題を取り除くことが出来ます。
爪とぎに限らず、ご自分の愛猫が、なにか飼い主さんが困るような行動をする時には、必ずなにか原因があるはずです。
その問題の解決策を考えるのも、愛猫への愛情ではないでしょうか。
