猫とドライブを楽しむために必要なこと4選
外に出るのを怖がるような猫でも、しっかり準備をすれば、一緒にドライブが出来るようになることもあります。
今回は、猫を連れてドライブを楽しむとき、どんなことに気を付けるか、何を準備すればいいのかについてご紹介したいと思います!
もくじ
■猫とドライブを楽しむために必要なこと 4選
・準備期間を設ける
・車に慣れさせる
・体調の変化に気を付ける
・猫が嫌がることを無理強いしない
■準備期間を設ける
三か月前ぐらいから準備にとりかかる
まず、猫とドライブに行きたいのなら、いかに猫にストレスを与えずに車に乗せるかということを考えます。
犬のように『待て』『おいで』などのように、飼い主さんの指示で、行動を制御出来れば
良いのですが、よほど特殊な猫でない限り、言葉だけで猫の行動を完全に制御するのは
不可能です。
車に乗り慣れない猫が、万が一、パニックになって車外に飛び出し、そのまま迷子になったり、事故にあったりして、取り返しのつかないことになるかも知れません。
ですから、猫の安全を守るためにも出来るだけの準備をする必要があります。
また、絶対にしてはいけないのは、なんの準備もせず、人間の気分と都合だけで、猫を車に連れ込むことです。
猫もパニックになりますし、その際に暴れて、飼い主さんが思わぬ怪我をしてしまうかも知れません。
また、恐怖のあまり、失禁、脱糞してしまったら、その強烈なニオイが簡単には消えず、ドライブを楽しむどころではありません。
猫とドライブに出かけたいのなら、その予定の三か月前ぐらいから少しづつ、準備を整えるようにしましょう。
では、具体的に何を、どんな風に準備すればよいのかを順にご紹介します。
クレートに入れて、車に乗せる
猫は、とても縄張り意識の高い動物です。自分の縄張りの中にいれば、恐怖心を抱くこともなく、落ち着いて過ごしています。
わかりやすく人間に例えて言うと、旅慣れていなくて、しかも、全く外国に行ったことのない人でも、日本国内なら安心して街中をぶらつくことが出来るし、
自分の家がある町内にいれば、何に対しても、誰に対しても、警戒心を
抱くことなく、リラックスして過ごせます。
けれど、外国に旅行に出かけたら、「誰かに大切なものを盗られないか」
「騙されて、拉致されないか」「お土産物で高い金額を請求されないか」などと
常に自分に対して誰かが危害を加えようと見張っているような気がして、
少しもリラックスできず、ずっと神経を尖らせている、と言う感じです。
猫にとっては、縄張りの中と外とでは、それほど居心地の良さが違うのです。
では、室内で飼われている猫は、自分の縄張りをどのくらいの範囲だと認識しているのでしょうか?
まず、家の中は自分が入れる部屋や物置など全て猫の縄張りです。
それから、自宅の庭、ガレージなど、一緒に住んでいる家族がなんの警戒もなく
出入り出来る場所も、「縄張り」だと思っているようです。
と言うことは、家の外に連れ出されるということ自体、猫にとっては
見知らぬ外国に拉致されていくようなもので、大きなストレスを感じるはずです。
ですから、車に乗り慣れて貰う前の段階として、「縄張りの中にいる」感覚のまま、
車に乗せてみましょう。
もともと、猫はクレートやキャリーに入るのを嫌がる傾向がありますが、
それは、「クレートに入ったらイヤなことが起こる」という記憶があるためです。
ですから、クレートの中でご飯を食べるようにしたり、飼い主さんが外出し、猫だけでお留守番をさせる時にも、おやつを使って、クレートの中まで誘導し、クレートの中で
過ごすように習慣づけていきます。
そして、クレートの中が安全で安心だと猫が理解出来たのを見計らって、
そのクレートごと、車に乗せます。
怖がって鳴き声を上げたら、優しく声をかけて、安心させてあげましょう。
最初は、10分程度のドライブから初めて、少しづつ、距離と時間を延ばしていきます。
〇ドライブの後に特別なおやつをあげる
最初は、ごく短距離だけを走り、車から降ろしたら、すぐにクレートから出して、
「おとなしく乗れて、賢かったね」とポジティブな言葉でたくさん褒めてあげましょう。
この乗車訓練の後、その時だけ食べられるスペシャルなおやつを用意しておくと、
「クレートに入って、車の乗ればいいことがある」と徐々に覚えてくれるはずです。
〇日常生活の中で、リードに慣れさせる
リードやハーネスなどがついている状態に違和感を感じないように、
ドライブ当日までに、慣らしておきます。
また、飼い主さんが手早くハーネスなどが装着出来ないと、猫は
「一体、何事?!」と余計な不安を感じるようになります。
ですから、飼い主さんも、猫にハーネスやリードを装着できるように、しっかり練習しておきましょう。
〇トイレトレーニング
猫によっては、猫砂でもいろいろなタイプが好みだったりしますが、
猫とドライブを楽しんだり、遠出を楽しみたいのであれば、ペットシートでトイレが
出来るようにトレーニングしましょう。
猫砂を使っている場合、その猫砂の下にペットシーツを敷くようにして、
猫砂を少しづつ減らしていきます。
最終的に、ペットシーツだけでも排泄できるようになれば、ドライブの時だけでなく、
普段の生活でも、トイレを清潔に保つのがかなり楽になるので、
気長に試してみてはいかがでしょうか。
■車に慣れさせる
〇いきなり遠出をしない
何事も、無理は禁物です。車酔いをするかどうかを見極めたり、
下痢、嘔吐、失禁、脱糞をしなくなるように慣らすためのドライブですので、
大人しくクレートに入ってくれたからと言って、いきなり遠出をするのは避けましょう。
〇車内にリラックスできる環境を作る
クレートの中でおとなしく過ごせるようになったら、車内に猫がゆったりと寛げる
環境を作りましょう。慣れない場所での気分転換に、シートで爪を研ぐこともあるので、
シートにカバーをかけ、猫用のベッドなども座席に用意します。
〇車で移動する習慣を継続する
ハーネスをつけ、クレートの中でおとなしく過ごせるようになり、車内に出ても、
普段とかわりない様子で過ごせるようになれば、もう「猫とドライブに行く」という目的のための準備はほぼ整ったと言えます。
けれども、この段階でいきなり車に乗るという習慣を絶やしてしまったら、
「車に乗る」ということを猫が忘れてしまうかも知れないので、
継続的に車で移動する習慣をつけましょう。
■体調の変化に気を付ける
〇排泄物のチェック
下痢、嘔吐はしていないか、オシッコ、ウンチに異常はないかを確認します。
日ごろから、排尿、排便の回数やタイミングを把握しておくと、
ドライブに出かけた際、「いつもより回数が少ない」とか
「いつもより、ニオイがしない」など、なにか変化があればすぐに気付くことが出来ます。
〇食欲はあるか
普段どおりの食欲があるか、嘔吐などしていないかなどにも気を配りましょう。
〇発情していないか
避妊、去勢をしていない猫の場合、発情期を迎えていたら、人間で言うと、情緒不安定になっていますし、オスの尿のニオイも強くなっています。
また、メスも発情期の間はとても体力を消耗するので、発情期が終わるまでドライブは延期して下さい。
〇異常を感じたら、ドライブを即中止する
よだれを出したり、鼻の色や肉球の色が白っぽくなったり、あきらかにいつもと違う様子が見られたら、ためらわずにドライブを中止し、獣医さんの診察を受けてください。
「車に乗ったから嫌な思いをした」という記憶が残ったら、車に乗ることを嫌がるように
なるかも知れません。だからこそ、絶対に無理は禁物です。
■猫が嫌がることを無理強いしない
〇いきなり車に乗せない
なにも準備をせず、猫を抱いて車に乗るのは、あまりにも無謀です。
どんなに猫がドライブに慣れてきたと言っても、しっかりと準備を整えてから
車に乗せるようにしましょう。
〇叱らない
猫が座席の下に入りこんだり、座席の上で粗相をしてしまっても、決して
猫を叱ってはいけません。
とにかく、猫に嫌な思いをさせないことが重要なので、なにか猫が粗相したり、
イタズラしたりする前に、いかにそれらを防ぐかを考えて、対処しておきましょう。
■ドライブ当日までにしておくこと
〇爪切り
外出したら、例え車の中にいても、家の中にいるよりも、いろいろなアクシデントがおきます。
例えば、猫が大人しく、のんびりとドライブを楽しんでいても、急に雷が鳴ったり、聞き慣れない工事などの騒音が聞こえたら、驚いてパニックになってしまうこともあります。
そんな時、猫を落ち着かせようと抱き寄せたら、パニックになった猫に飼い主さんが引っ掻かれてしまい、思わぬ深手を負ってしまうかも知れません。
猫の引っ掻き傷は、場合によっては、ミミズばれ程度では済まず、血が滴るほど深く、広範囲に飼い主さんの皮膚を傷つけてしまいます。
せっかく、数か月もかけて楽しみにしていたドライブが台無しにならないよう、必ずドライブ前日までに、前足だけではなく、後ろ足も忘れずに猫の爪を切っておきましょう。
〇シート下などへの潜り込みが出来ないようにガードしておく
車の中は、思いがけない場所に空間があります。運転席や助手席の下や、後部座席の下などにハーネスとリードをつけたまま猫が潜り込んだら、なかなかそこから出すことが出来ず、走行中も危険です。
あらかじめ、そう言った空間の場所をチェックし、座布団を折りこんだものや、
段ボールなどを使って、座席の下の空間を埋め、猫が入り込めないようにしておきます。
■ドライブ当日にすること
〇乗車する1時間前には食事を済ませる
少なくても、出発する一時間前には、食事を済ませておきます。
変に飼い主さんが落ち着かず、そわそわしていると、その気持ちを猫が察して
しまうので、ふだんどおりに食事を与えます。
置き餌などで食事を与えている飼い主さんは、いつ、どのくらい猫が食事をしたのかをよく観察しておきましょう。
〇排泄を済ませる
出来れば、排便も済ませたいところですが、猫によってウンチは数日に一回程度しか
出さないコもいますので、最低でも、オシッコだけでも、済ませてから出発します。
車慣れしないうちは、例えトイレを積んでいても、緊張のせいか、オシッコすらなかなか出ないので、まだ、家の中にいて、猫が緊張を感じない間に排泄させてあげましょう。
■体調の変化に気を付ける
〇呼吸が荒くなったら、室温を下げる
■猫とのドライブに必要な物
〇リード、ハーネス
ドライブに限らず、猫と外出するのなら、必ず必要です。
犬用の首輪は、強い力がかかっても、外れないようになっているので、首輪に直接リードをつけるタイプが使えますが、猫用の首輪は、窒息防止のため、強い力がかかると外れるようになっています。
ですから、犬用の首輪のように、首輪に直接リードをつけるタイプを使うと、
引っ張った際に首輪が取れてしまうので、猫に使う場合は、必ずハーネスタイプを選んでください。
ハーネスタイプでも、細身の猫の場合、すっぽ抜けてしまうことがあるので、上半身にベストを着せるタイプのハーネスならさらに安心です。
〇トイレ
猫とのドライブや外泊に持っていくトイレに向いているのは、小型で、二重構造になっているタイプです。
特に「にゃんとも清潔トイレ子猫用スタートセット ベーシックタイプ」なら、大きさも手ごろで、二重構造になっており、猫砂ではなく、ペットシーツを使えば、猫が排泄をした時、その都度交換出来るので、オススメです。
〇消臭剤
猫のオシッコのニオイは、布に付いたらなかなか簡単には消えません。
特に車の中のような狭い空間で、万が一、布製のシートにオシッコをかけられたら、ドライブ中だけでなく、ずっと猫のオシッコのニオイが車内に残ってしまいます。
けれど、その強烈な猫のオシッコのニオイすら、短時間で消してしまうほど強力な消臭剤を持っていれば、心配ありません。
ペット用の消臭剤以上で、絶大な効果を発揮するのが黒いパッケージのファブリーズです。
商品名は、ファブリーズメン 香りが残らないタイプもし、猫がシートにオシッコをしてしまっても、その場所にこのファブリーズをシートにしっかり染み込むほど吹きかければ、短時間でニオイが消えます。
猫とドライブを楽しみたい飼い主さんには、必ず、車の中に置いて欲しいグッズです。
〇シートカバー
合皮製のシートカバーをかければ、猫の抜け毛も掃除しやすく、また、オシッコなどの汚れがついても、ふき取って、軽く消臭剤を吹き付けるだけで済みます。
また、布製のシートだと猫が爪で引っ掻いた時にほつれたりしますが、丈夫な合皮製の
シートを選ぶと、その心配もありません。
お手入れが各段に簡単になり、常に車内を清潔に保て、見た目もおしゃれで、
ドライブに出かける気分もあがります。
〇クレート、キャリーケース
猫が安心して寛げる場所としても、車から宿や、家の中に入るときの移動の際の
入れ物としても、絶対に必要なものです。
〇ゴミ袋
猫がオシッコをしたら、その都度、ペットシーツを交換します。
その汚れたペットシーツを入れて、密閉できるビニール袋などを用意しておきましょう。
■まとめ
家猫は外に連れ出さないほうがいい、とも言われていますが、飼い主さんのことが大好きな猫は、本当は片時も飼い主さんと離れたくないと思っているはずです。
飼い主の独りよがりかも知れませんが、私たち人間よりも、猫の寿命はずっと短く、一緒に過ごせる時間は限られています。
我が道を行く…というタイプの猫ではなく、とにかく飼い主さんが大好きで、お出迎えもしてくれて、家にいる間はずっと飼い主さんとストーカーをしてるようなタイプの猫なら、一緒にドライブなどの外出に連れて行ってあげる方が、きっと猫にとっては幸せです。
少し、根気が必要ですが、挑戦する価値は必ずあります。思い出作りのためにも、猫と一緒のドライブを楽しんでみませんか?